2006年12月08日

なぜ中村俊輔を外したのか? BBC記事ストラカン監督コメント

「何で俊輔がベンチなんだよ!」

12月7日早朝4:30過ぎに、こう叫んでしまった人達がたくさんいた筈です。
かく言う自分もその1人。ストラカン監督の珍スタメンには慣れていたのに、欧州CLグループリーグを1位で通過できるかどうかの大一番で俊輔を外すという愚行はさすがに予想外でした。

そして試合結果は3−1という無残な敗北。
しかもセルティックの1得点は後半24分に出場した俊輔のFKから生まれたもの。
これでは俊輔ファンでなくてもどうして最初からナカムラを出さなかったんだと言われても仕方が無い。実際、現地のセルティック・フォーラムではやっぱりナカムラがいないと駄目だの大合唱。ストラカンの不可解な采配に非難や疑問が飛んでいますね。

どうしてストラカン監督は俊輔を外したのか?

ストラカンの口から本音が出てくる事は無いと思う。きっとズバリそう聞かれたら、当たり障りのない理由を口にしてお茶を濁すはず。現地のメディアにも納得が行く様なコメントは見つけられなかった。

strachan-copenhagen.jpg

このままではスッキリしないので、ちょっと彼の心の内を想像(妄想)して答えを探して見ようと思う。そんな訳で今回はいつもの様な記事形式ではなく、管理人の愚痴と妄想なので興味のない方はスルーして下さい。


さて、まずは試合前にセルティック公式HPに載ったストラカン監督の勝利宣言を引用します。これを読むとストラカンは、私はターンオーバーはしないベストメンバーで勝ちに行くとハッキリ言っています。

セルティック公式HP
ストラカン、勝利を目指す
グレガー・カイル


UEFAチャンピオンズ・リーグ決勝トーナメントへの出場は保証されているが、セルティックのゴードン・ストラカン監督は明日のコペンハーゲン戦における勝利の重要性をよく理解している。6日に行われるグループステージ最終戦前の記者会見で、ストラカン監督は次のように語った。
「セルティックの監督が試合前にプレッシャーに悩まされないことはない」
「我々は現在いい状態にいるし、いいパフォーマンスでコペンハーゲンに勝利してこの状態をキープしたい」
「でも、我々がどこに行こうが、相手が誰であろうと毎試合勝たないといけない。毎試合で勝てないようならば、それは問題だと思う」
「セルティックの監督として優先すべきことは、サッカーの試合に勝つということ。そこから細かいことを見ていく」
もし、セルティックが、ベンフィカと対戦するマンチェスター・ユナイテッドと同じ結果、または彼らよりもいい結果を出すことができれば、グループFの首位が確実になり、これは決勝トーナメントの対戦に大きく影響してくる。
グループステージを首位で終わらせれば、セルティックは決勝トーナメント1戦目でアウエー、2戦目にホームで戦えることになるが、このことについて質問を受けた監督はすぐにこう答えた。
「まず初めに、我々はこのポジションを得られたことを嬉しく思っている」
「16チーム中、私が対戦したいと思うチームのリストなんてない。我々はこのポジションでここに来たわけだから、後は選手次第」
「これ(この状況)を5試合前に与えられたならば、私はそれを掴みにいっただろう」
「我々はグループの首位に立てるチャンスがあるし、それは本当に素晴らしいことだけれど、我々はただ勝ち続けて、いいパフォーマンスをして、向上していきたいだけ」
「前にも話したけれど、我々は現在、絶好調というわけでもないし、正直言って、ベストの状態になれるように努力をしたい」
コペンハーゲンとのこの試合でそのチャンスがやってくるが、この試合の準備を進める中で、監督は「選手に彼らのためだけにチャンスを与える」ことはしないで、ベストメンバーでこの試合に臨むと話した。監督は「私はローテーションをする人間ではない。時々1、2名を交代しようかと考えるけれど、大きな変更はしない。それは正しいことではないと思っているからね」と話した。
「選手たちの態度は素晴らしく、これまでのこの大会で悪いパフォーマンスを見せたのはベンフィカ戦だけだからね。その時は1つや2つの間違いをしてしまった」
「彼らはチームとして素晴らしくやってきているし、ベストとは言えないかもしれないけれど、リーグ戦でもそれを見せてきている」
「大会の初めには『2位になれるか』と言っていたけれど、今は『1位になれるか』という状態にある。クラブとしてだけでなく、国全体でそれを楽しむべきだと思う」


こう明言していたにも関わらずフタを開けるとベストメンバーどころか、チームの中心選手の俊輔を外し右サイドバックに固定していたテルファーも外した。代わりに故障から復帰して3ヶ月近く実戦から離れているウィルソンを右SBに起用、俊輔の位置にはボランチのグラベセンを起用していた。この言動は明らかに矛盾している。これでは俊輔がスタメンにいるチームはベストメンバーじゃないのかと揚げ足を取られてしまうよ。そして、フィジカル(身体・体力)の強いチームが相手だからフィジカルの弱い(と思われている)俊輔を外したという理由はストカランには言って欲しくない。そもそも、フィジカル重視のスコットランドリーグに軽量選手の組織的なパスプレーで対抗する今のセルティックを作り上げたストラカン本人がフィジカルを理由にパスサッカーの象徴の俊輔を外すのは自分のサッカーを否定するのに等しい。それに俊輔のプレースタイルからもフィジカルが理由で外されたとは考えにくい。だからフィジカルが理由というのは建前の1つでしかない。

俊輔の試合後のコメントを読んでみると、
「試合前に監督からずっと出てるからお休みと言われた。気合入っていたんだけどね。1位と2位では全然違うし」と中村。 スポニチ 

この発言から俊輔が体調万全だった事が解る。怪我や体調不良が理由ではない。
しかも、ローテーションはしないと言っていたストラカンの発言が矛盾する。
つまりストラカンは何処かで嘘をついてる事になる。体調万全の俊輔をベストメンバーで勝ちに行く試合で外す道理がない。だから僕はこう考える。

この試合、ストラカンは(本気で)勝つつもりは無かった。

もし本気で勝ちたいのなら、2点リードされていた後半開始早々に俊輔を投入したはず。しかし、実際には更に追加点を奪われ3点差になっっていた後半24分に投入。
これはオカシイ。さすがの俊輔でも残り20分で3点差を引っ繰り返すのは無理。
それならストラカンが俊輔に言ったように最後まで休養させた方が良い。
ここでもストラカンの言動は矛盾しているが、勝つつもりが無いのなら納得がいく。

いったい何がストラカンの狙いだったのか?
BBCに掲載された試合後のストラカンのコメントを読みながら検討してみる、

BBC
Strachan vows to tackle defence
ストラカンはディフェンスに取り組むと明言


セルティックの監督ゴードン・ストラカンは、彼のチームがFCコペンハーゲンに3−1で敗れるのを見届けた後に何がいけなかったのか解っていると言った。
「安心してください。私には何が問題か解っているし、それを対処しますから。- 心配しないで下さい。」
「彼ら(コペンハーゲン)のプレーの力強さは素晴らしかった。前半戦、身体的には彼らが完全に勝っていたね。」


俊輔を外しフィジカルの強い選手(グラベセン、ヤロシク、バルデ)を起用したストラカンは、結局フィジカル重視では駄目だったと強調している様に感じる。

「私達はココでファンと一緒に祝うはずだったのに、敗戦で台無しになってしまった。私はどうすればチームが良くなるか解ってるし、それを実践していくつもりだよ。」

フィジカルで駄目だったんだから、俊輔中心のパスサッカーに戻すよと宣言。

既にチーム初の欧州CLのノックアウトステージ(決勝トーナメント)
出場の資格を得ているにも関わらず -- 敗戦後の選手達は沈み込んでいたとストラカンは語った。
「今は私達を元気付けるものは何も無い、私は失望で打ちのめされているよ。」


これは建前(嘘)でしょ。監督自身は狙い通りで失望どころか痛快なのでは。

「私達は落ち込んでいる。君たちはSPLで私達が16ポイント差も付けて独走してるじゃないかと指摘するかもしれないが、その事が今の我々に影響を及ぼすことは無い。」
このセルティックの監督は、27分でFCコペンハーゲンに2点リードを許す事になった前半戦の守備面でのミスを悔いていた。
「我々はセットプレーでの質が悪かった、これは対処する必要がある。敵はスローインやFK、CKから得点していたからね。」


一見、敵のセットプレーの対処を語っている様で、俊輔がいないセルティック自身のセットプレーの質が悪かったと暗に言っている。やっぱり俊輔が必要だろうと。

「私は後悔してないよ。トーマス・グラベセンやジリ(ヤロシク)、マチェイ・スラウスキーの様な試合に出ることが必要だった選手がいたから。」

グラベセンやヤロシクといった試合に出せと要求する大物に対して何やらクギを指している感じ。

「だけど我々は前半戦でチームの形が出来ずに苦戦してしまった。でも中村俊輔を投入してからは良くなったね。」

結局はコレが言いたいんだよね。


しかし、俊輔大好きのストラカン監督が俊輔の重要性や価値を内外に再確認させたかったというのは尤もらしい理由だが、既にSPLやCLでの活躍で昨シーズン以上に評価されている俊輔の為に、ワザワザCLグループリーグ1位突破を危うくさせる必要性は少ない。だからこれは俊輔を勝ち目の無い状況で出場させた理由であって、スタメンを外した理由ではない。

ここでもう一度、ストラカン監督の立場になって考えてみよう。
彼はイングランドで監督を勤めた後、解説の仕事で好評を得ていた。そこへスコットランドとはいえチャンピオンチームで世界中にファンのいるセルティックからの監督オファー。実際に監督に就任してみると自分の欲しい選手を補強して貰えてシステムも好きにさせて貰えた。そして就任一年目に2位に大差を付けて優勝し名声を勝ち取る。最高だ!これはもう止められない。何年でも続けて行きたいと彼が思っても不思議ではない。そう、彼は今シーズンだけでなく先の事も考えている

彼は今シーズンことあるごとに欧州CLよりSPL優勝の方が大事だと言っている。これは建前でなく彼の本音だと思う。昨シーズンに実力以上の差で優勝してしまったセルティックは今シーズン優勝することが当たり前になってしまった。優勝を逃せばストラカンは首が危うくなる。しかしCLは違う。チームもサポーターもグループリーグを突破できるなんて本気では思ってなかった。ところが俊輔のFKなどの活躍と強運で決勝T出場が決まった。ストラカンは喜びつつもこう思った筈だ。

今年はこれで十分。これ以上は逆に不味い。

そう、この試合俊輔がスタメンで活躍して1位で突破すると、別グループの2位と対戦することになる。もしそこでまた俊輔が活躍してベスト8に勝ちあがってしまうと、来シーズン以降の期待ノルマがそれだけ上がってしまうのだ。サポーターやファン、というか人間の欲望は天井しらず。昨シーズンはSPLで優勝できれば万々歳だったのに今シーズンは優勝が当たり前という雰囲気になってしまった。もし今年CLベスト8になったら、来シーズンはCLグループリーグ突破が当たり前という雰囲気が生まれてしまうのは目に見えている。それはストラカンの立場では厳しすぎる状況だろう。もちろんファンもセルティックの実力は解っているが一度味わった栄光を再び味わえないとなると解っていても失望は大きく怒りの矛先は監督に向かうかもしれない。

更にベスト8の原動力になった俊輔にはオファーが殺到し、来シーズンにはかねてから公言しているスペインリーグ行きの夢を叶えてチームから去ってしまうかもしれない。そうなるとSPL優勝すら危ういし、実際優勝できないとそれまでのチームの栄誉は俊輔のお陰だったんだという事になりストラカンは監督としての名声に傷がつく。そうなれば解任となっても不思議ではないのだ・・・。

このあたりが俊輔を外したストラカン監督の思惑だったのではと妄想する。
彼は長年選手や監督としてサッカーという実力と権力の世界で生きてきた人間。これぐらいの計算は絶対にしている。というか計算していて欲しい。じゃないと俊輔抜きに本気で勝ちに行こうとしたお馬鹿な監督ということになる。そうでない事を祈るばかり。

だけど、それ以前にもピアソン先発とか不可解な采配してるからなあ・・・

banner2.gif 最後までお付き合いありがとう。


中村俊輔 スコットランドからの喝采
中村俊輔 スコットランドからの喝采東本 貢司

おすすめ平均
stars俊輔のいたスコットランド
stars非常に勉強になる
stars日本人向けではないです。。。

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

posted by のぶ at 17:43 | Comment(6) | TrackBack(0) | Persons(注目の人物)
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。