2006年08月21日

「ニッポン社会」入門―英国人記者の抱腹レポート

これまでに書いた紹介文と感想のまとめです。


2008年11月14日

またまた「ニッポン社会」入門―英国人記者の抱腹レポートを借りてきた。
この人、ニューズウィーク日本語版で4年勤務した後、英高級紙デイリー・
テレグラフの記者になり、現在は同社の東京特派員。
この本は、そんな経歴を持つイギリス人が綴る日本雑感。
メッセージ性みたいなものはほとんどないから楽しく読めます。
ちょっと一部を紹介すると、十年も日本語を勉強してきた彼の
「お気に入り日本語表現」ベスト3が以下の3つらしいです。

 まず第三位は「勝負パンツ」。この言い回しを聞いて、感心しなかったイギリス人の友人はひとりもいない。大事なデートの前に着ける下着を指す言葉に関して、日本語ほど正直な言語はほかにあるだろうか?『ブリジット・ジョーンズの日記』があれほどのヒット作となったのは、何百万もの独身女性が「こんなふうに思っているのは自分だけかしら」と思っていることを素直に表に出したからである。重要な局面を前にしてブリジットが下着を穿き替える場面もそのひとつだ。この場面を見て、多くの女性は(そして、少なからぬ男性も)心の中で「ほかの人もやってるんだ!」と思ったことだろう。もし、日本語を知っていたなら、彼らはこれが社会に広く行きわたった習慣だともっと早く理解できていただろうが。
 第二位は「上目遣い」。日本に来てまもなく、女性の中には、何か頼みごとをするときに、まるで子供のように哀れっぽい訴えかけるような目つきでぼくを見上げるというトリックを使う人がいることに気付いた。その後、何年も何年もふざけてそうした女性の真似をしているうち、ある日、誰かがそうした目つきを指す言葉があると教えてくれた。この目つきを指す言葉が存在するとは! 日本語はすごい。
 しかし何といってもベストワンは「おニュー」だ。この言葉を初めて聞いたとき、ぼくは声を出して笑い、その日一日、この言葉について考えをめぐらせたものだ。英単語と日本語の丁寧語をかけ合わせるなんて! この言葉は初めて何かを使うときに感じる束の間の幸福感を見事にとらえているし、そこにはユーモアとアイロニーが同時に含まれている。しかも、短い英単語の前にたった一文字つけ加えるだけで、それだけのニュアンスを伝えているのだ。
 この言い回しを英語に翻訳するアダプターが耳についてなかったことにぼくは感謝している。

おニューですか・・・・・・流行ってた当時はなんとなく使ってたけど、
イギリス人にその良さを解説されると妙な気分になったり。
まあとにかく、こんな風に為にはならないけど外国人視点の日本が色々と
紹介されてます。自分はかなり好きかも。



2008年11月15日

今日も「ニッポン社会」入門―英国人記者の抱腹レポートの紹介から。
前回に引き続き、英国人の著者の日本語に対する雑感を一部抜粋。

日本語の巧みな言い回しや洞察にみちた表現、あるいは腹を抱えて笑ってしまうほどユーモラスなフレーズを知ること自体、すごく楽しいことなのである。
 まず、日本語には気の利いた諺がいくちもある。なかでも、「猿も木から落ちる」は日本語学習者なら誰でも早い段階で学ぶ諺だし、おそらく最も優れた言い回しだろう。初学者でもわかる簡単な単語を用いながら、それをつなげた文全体は、人間には誤りがつきもであることを力強く、かつユーモアに伝えている。この諺とくらべれば、英語の「Nobody is perfect」(完璧な人はいない)などその足下にもおよばない。「猫に小判」という諺を聞いて、ぼくが感じるのと同じぐらいの面白味を感じる日本人はいるだろうか。この諺を耳にするたびに、ぼくは子供の頃に飼っていたギマリーという名の猫を思い出す。この猫はよく(おそらく、どの猫も同じだろうが)まったく関心がありませんとでも言いたげな表情を浮かべていたものだ。それにしても、なんと無駄がなく要領を得た言い回しだろう。わずか単語三つで、このうえなく明快に意味を伝えている。
 まだ辞書には載っていないが、最近、耳にしたフレーズがある。複雑な敬意を持っているが、まぎれもなく独創的な表現で、ぼくはこれについて記事を書こうとさえ思ったのだが、あいにく知り合いのイギリス人
記者に先を越されてしまった。「全米が泣いた」という言い方である。どうやら、ある商品やサービスに対してさっぱり関心を持てないときに、皮肉を込めて用いられるらしい。ここにはちょっと入り組んだロジックが働いている。アメリカ産のレベルの低い映画の宣伝文句として、「全米が泣いた」という陳腐な言い回しがあまりに頻繁に用いられたために、期待はずれのもの、過大評価されているもの、たんにくだらないものに対しても使われるようになったのだ。この独創的な表現は、日本人についてふたつの大きな誤解を吹き飛ばしてくれる。日本人はユーモアに欠けているわけではないし、アメリカのものなら何でもありがたがるわけでもない。

「全米が泣いた」なんていう大してニュースバリューの無い流行語を
英高級紙の記者であるコリン氏が取り上げようとしたってのが面白い。
しかも、別のイギリス人記者が既に記事にしてたってのがまた。
どんだけ食いつきが良いのかって感じですよ。
そんなにイギリス人にとってツボだったんですかねえ。^^
日本語の諺に関しては、言われてみればそうかもという気になりました。
「猿も木から落ちる」とかは確かに素晴らしい言い回しだと思う。
こういうのを外国人視点で指摘されるのって面白いですね。



2008年11月16日

今日も「ニッポン社会」入門―英国人記者の抱腹レポートの紹介から。
今回は日本人の行動様式に対する著者の雑感を一部抜粋。

 「日本人になりそう。日本人になりそうな気がする。ほんとうにそんな気がするんだ・・・・・・」
 これは80年代初期のポップソングの歌詞で、いまでもぼくの知り合いのほとんど誰もがこのフレーズを覚えている。
(中略)
 しかし、それでもやはり、ぼくは日本人の行動様式をいろいろと身につけ始めてもいるのである。仲間のイギリス人記者のひとりは、英語で頼みごとをするときでさえ、いつも " I know you'er busy but... " (お忙しいところすみませんが)と前置きしてしまうと言っていた。(イギリスでは通例、不必要なフレーズだ)。また、よく冗談で「上司に " scolded severely " したよ。(ひどく叱られたよ)」などと言ったりする。日本語の「叱る」を翻訳するとたしかに " scold " としか言いようがないのだが、これは子供に関してのみ用いられる言葉なのだ。あるいは、店員から「申し訳ありませんが」に相当するフレーズもなしに、いきなり「売り切れです」と言われたら、ぼくはすごくムッとすることだろう。
 それに、日本の生活習慣の中には、すごく理にかなっているのでやめられないものもある。日本に住んだことのあるイギリス人で、イギリスでの風呂の入り方、ぬるぬるした泡の中に浸かる入浴の仕方に戻る気がしないのはぼくだけではあるまい。ぼくの高校時代の親友のふたりは、日本に住んで以来、自分の家にやって来る人たちに玄関で靴を脱ぐように言っている。
 奇妙なことに、ぼくの両親と姉も靴を玄関で脱いだ方がいいと思っているのだ――三人とも日本に来たことがないにもかかわらず。思うに、これはぼくが彼らをゆっくりと「改宗」させたからだろう。何年にもわたって、ぼくは日本から家に細々とした品物をあれこれと送り続け、ぼくの家族はそうした品々にだんだんと興味をもつようになってきたのである。べつに高価な品物ではない。さりげなく日本人の美的センスがうかがえる、ありきたりのものとは一味違った品物だ。ぼくの姉の家の棚のいちばん目立つところには、ぼくが百円ショップで買った湯呑みが置かれている。ぼくの祖母は、ぼくがプレゼントした布巾、紺色の瓢箪の絵が入ったふつうの布巾が大のお気に入りだった。祖母には濡れた皿を拭くのに使うものだよと説明したのだが、祖母はその布巾をずっと暖炉の上に飾っていた。

瓢箪の絵の布巾を暖炉の上に飾るおばあさんにホッコリ。(*´д`*)
そして、以前書いた記事でも出てきましたが、家で靴を脱ぐ事の快適さ
合理性に気付く欧米人がここにもいたり。ジワジワと増えてますね。
日本式な入浴の仕方もイギリス人たちを魅了している様子。
ちなみにこのコリンさんは銭湯めぐりが趣味の一つらしいですよ。^^
銭湯遺産銭湯遺産



2008年11月18日

今日も「ニッポン社会」入門―英国人記者の抱腹レポートの紹介から。
今回は日本で買うおみやげに対する著者の雑感を一部抜粋。

 品物を選ぶにあたって、いくつか基本的な原則がある。イギリスでも買える品物を持ち帰っても意味がない。以前は、これは大きな問題ではなかった。しかし、だんだん、さまざまな日本製品を思いもよらないところで目にするようになってきている。たとえば、ぼくはよく無印良品の名刺入れを友人に持って帰ってあげていた。ぼくの考えでは、一流のデザインの名刺入れだ。すると、この名刺入れはロンドンのMUJIですごく売れ筋の品であることがわかった。ただ、イギリス人の男の中にはこれをコンドーム入れとして使っている連中もいるようだが。
 重いものも原則として除外である。ぼくはぜひマッサージ椅子を持ち帰りたいと思っているのだが、残念ながら、スーツケースに入るサイズのものをまだ見つけることができないでいる。
 重くても、小さな容器にぎっしり詰まったものなら、ぼくのスーツケースに入れられないわけでもない。たとえば、味噌がそうだ。面白いことに、いくつもの空港や都市を経由して荷物を引きずっていくとなると、品物に対する金銭感覚が変わってしまう。安い味噌を求めて必死になっても意味がない。目に入った、いちばん高価な味噌に自然と手が伸びてしまうのである。もちろん、味噌をプレゼントしたところで、イギリスで味噌汁を作ろうとする人などひとりもいない。ぼくは味噌汁ではなく、きゅうりを切り、味噌をつけて食べるところを実演してやる。これほど安上がりで健康的、かつ美味しい軽食はそうざらにあるものでもないだろう。
 腐りやすい品物もダメだ。したがって枝豆は除外である。━━━腐りやすい点を除けば、ぜひスーツケースの中に入れたい一品なのだが。枝豆を口にした外国人はたいてい、たちまちのうちに枝豆のファンになる。ぼくは以前、イギリスに最終的に帰国することとなったら、どれほど枝豆を恋しく思うことだろうとよく心配したものだった。しかし、聞くところによると、いまではロンドンでも枝豆を買えるそうだ。何と「エダマメ」という名で呼ばれているらしい。

中世・近世の建造物が今なお多い街並みのロンドンでエダマメ。
もの凄いギャップを感じるのは自分だけ?
しかし、枝豆の魅力は世界でも通用するみたいです。
あの見た目と決して美しいとは言えない食し方が、イギリスやフランス
みたいな国では受け入れられそうにないという勝手なイメージがあった
けど、全然そんなことない模様。
それに、イギリス人男性が嬉々としてモロキューを実演してる姿を
想像してホッコリ和みましたよ。(*´д`*)
イギリスに持ち帰るおみやげに対する著者の思いはまだまだ続くのですが、
それはまた次回で。



2008年11月21日

「ニッポン社会」入門―英国人記者の抱腹レポートの紹介も今回が最後。
そんな訳で、目次を引用して全体的な内容を見て頂こうかと。

  日本のこと、本当に知りたい?
壱:基礎編
  プールに日本社会を見た
弐:日本の難易度 
  日本語、恐るるに足らず
参:面白い日本語
  イライラ、しくしく、ずんぐりむっくり
四:日本の第一印象
  サムライ・サラリーマンなんていなかった
五:日本の日常
  日本以外では「決して」見られない光景
六:行儀作法
  英国紳士とジャパニーズ・ジェントルマン
七:独創性
  日本人はすぐれた発明家だ
八:ビールとサッカー
  日本の「失われなかった」十年
九:行動様式
  日本人になりそうだ
九1/2:ジョーク
  イギリス人をからかおう
拾:東京の魅力
  わが町、東京を弁護する
拾壱:東京案内
  トーキョー「裏」観光ガイド
拾弐:ふたつの「島国」
  イギリスと日本は似ている!?
拾参:メイド・イン・ジャパン
  イギリスに持ち帰るべきお土産
拾四:特派員の仕事
  イギリス人が読みたがる日本のニュース
拾五:ガイジンとして
  日本社会の「和」を乱せますが?
拾六:日英食文化
  鰻の漬物、アリマス
拾七:おさらい
  ぼくの架空の後任者への手紙

どのトピックも面白かったり、へぇと感心したり、そうだったのかと
新たな発見があったり、その全部だったりします。
このブログで扱うネタが好きな人なら、最後まで楽しく読めると思う。



amazon紹介文
日本社会について手っ取り早く学びたければ、近くのプールに行ってみることだ。規則と清潔さを愛し、我慢強く、大きな集団の悪事に寛容な国民性が理解できるはずだから。過剰なまでに礼儀正しく親切な人々、思ったより簡単で奥深い日本語、ガイドブックには載っていない名所の数々…。14年間日本に暮らす英紙記者が無類のユーモアを交えて綴る、意外な発見に満ちた日本案内。
規則と清潔さを愛し、過剰なまでに礼儀正しく親切な人々、思ったより簡単で奥深い日本語、ガイドブックに載っていない名所の数々…。14年間日本に暮らす英紙記者が無類のユーモアを交えて綴る、意外な発見に満ちた日本案内。
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雑記ですから

08/03/22

ブログの参考にしてる面白い本ランキング。

1位
オタク・イン・USA 愛と誤解のAnime輸入史
オタク・イン・USA 愛と誤解のAnime輸入史
外人さんがアニメを中心とした日本のオタク文化を本にしたものは珍しくなく なってきましたが、その中でもこの本はダントツで理屈抜きに面白い。 何が良いって、著者のパトリック・マシアスが、アメリカで育った本物の ギークだって事に尽きる。子供の頃から、ゴジラやウルトラマンなどの特撮や バトル・オブ・プラネット(ガッチャマン)やスター・ブレーザーズ(宇宙戦艦 ヤマト)に夢中になり、アメリカのTV会社のいい加減さに翻弄されながらも、 オタクであり続けた記録が、微笑ましいやら楽しいやらで最高です。 内容にちょっと触れると、黒人やヒスパニックの危ないお兄さん達がドラゴン ボールのアニメTシャツを着てたりとか、リン・ミンメイにアメリカの少年たちが 「デカルチャー」しちゃったり、ガッチャマンのパンチラシーンで性に目覚め ちゃったり、ガンダムWでアメリカの十代の少女たちがヤオイに走ったりとか、 もう興味がない人にはどうでもいい話ばかりなんですが、ファンには溜まらない ネタのオンパレードで一気に最後まで読ませる魅力がある、というか魅力が溢れ まくってます。
自分が知る限り、彼以外のオタク本を書いてる外人さんは、アニメを楽しんでると いうよりも評論しているので、どうも上から目線の様に感じてしまいます。 スーザン・ネイピアさんの本を読んだ時も、そんな印象を受けましたよ。 日本を良く研究されていて、あ〜そういう考え方もあるのかあと、感心する一方、 彼女には、アニメに対しての答えが既に出ていて、その持論を補強するためのアニメ だけを例に挙げるので、ちょっとそれは違うんじゃないかと反発したくなる。 翻ってマシアスは、アニメを見る目線が自分とほぼ同じなので、共感できるんですよ。 ただ単純にアニメや漫画を楽しんで感じたままを書き連ねてる。学術的には価値が無い のかもしれませんが、自分にとっては凄く価値のある本だったりします。

2位
「ニッポン社会」入門 英国人記者の抱腹レポート (生活人新書)
「ニッポン社会」入門 英国人記者の抱腹レポート (生活人新書)
図書館で借り直してまた読んでみた。
やっぱり面白い。
地球の裏側にある全くの異文化で育った人の感想や考え方って、日本人には 想像できないような意外性があるし、普段は気にもしなかった事を指摘されると あ〜確かにそうだなと思わず納得させられる。 この作者のコリン・ジョイス氏のように10年以上日本で暮らし日本語がペラペラ になったイギリス人が、日本語の巧みな言い回しや表現・ユーモアに感心し楽しん でいると書いているのを読むと、単純に嬉しいし興味深い。 コリンさんは「猿も木から落ちる」という諺がかなり気に入った模様。 英語での「Nobody is perfect」なんて足元にも及ばないと言ってます。 この方は、ニューズウィーク日本版の記者を経て今はイギリスの高級日刊氏 テレグラフの東京特派員をしてるのですが、日本で「全米が泣いた」というフレーズ が流行った時は、それを記事にして送ろうとしたほど気に入ったそうです。 残念ながら、他の記者に先を越されてしまったようですが、まさか「全米が泣いた」 が既にイギリスで紹介されてるとは意外というか、そんな重要性が低い記事も 書いてるのかとちょっとビックリ。
他にも、プールに日本社会の縮図を見ちゃったり、美味しいけど味がどれも変わらない日本のビールにガッカリしたり、イギリスは紳士の国と言われて驚いたりと色々な面白エピソードが満載でした。 この面白さの半分でも見習いたんもんです。^^;

3位
中国動漫新人類 (NB online books)
中国動漫新人類 (NB online books)
目からウロコが落ちました。ボロボロって。 この本の趣旨の一つに「反日で暴れる中国人がどうして日本のアニメや漫画を楽し んでいるのか?」を考察するというものがあるんですが、正に自分が常々知りたいと 思っていた事なので、本当に楽しんで読めました。 著者は中国で生まれた日本人であり、大学で中国からの留学生を教えていたりもして るので、彼らの生の声を通訳など通さずにそのまま文章にされている所が魅力です。 スラムダンクが中国でもの凄いバスケブームを起こしたり、大人気のクレヨンしん ちゃんをパクッた中国アニメが中国人の小さな子供にも馬鹿にされてたりとかも 面白いネタだったんでが、コスプレイベントが中国の国家事業として企画されている という事実にビックリ。もちろん、何で反日教育をしてる中国政府が、日本アニメ 大好きの若者が日本のアニメキャラに扮するコスプレを自ら開催するのかという理由 も、著者なりに一つの解を示してくれています。他にもアメリカで起きた反日運動の 裏側など、アニメ以外の話題にも触れており読みごたえ十分な内容でした。 管理人同様、今の中国はどうなってんの?と思ってる人は是非読んでみて下さい。

4位
世界の日本人ジョーク集
世界の日本人ジョーク集 (中公新書ラクレ)
内容はタイトルのまんまで、世界中の日本人を扱ったジョークを集めて紹介しながら 著者の海外経験を通して海外の人が持つ日本人の印象や実態とは少し違う固定観念などを面白おかしく、時には真面目に語ってくれます。 著者はルーマニアに2年間在住しており、その時に「キネーズ(中国人)!」とほぼ 毎日声をかけられたそうです。親しくなったルーマニアの友人に、何故東洋人を見かけ ると中国人だと言うのかと聞くと、「あの豊かで優秀な日本人がこんなルーマニアなん かに来るわけがない。中国人に違いない。って思うんだよ。距離感が違いすぎるんだ。 日本はずっと上過ぎてね。」と言われたとか。リップサービスを差し引くとしても 他のルーマニア人にも同様の意見が多かったと述べてます。 何か読んでてこそばゆくなってきますが、こんなのもあります。 アメリカが日本人を動物に例えると何かというアンケートが実施されて、一番多かった 答えが「FOX(狐)」だったとか。どうやら「ずるい、ずる賢い」という意味だそうですが、狡猾・卑怯者ぐらいに思ってるのかもしれませんね。 真珠湾から安保のただ乗り(と向こうは思ってる)、湾岸戦争でのお金のみの貢献に 日米貿易摩擦あたりでこういう印象になってるそうです。 とまあ、こんな風にちょっと顔をしかめたくなるようネタも載ってます。
全体的には面白い内容のネタが多いし、巻末の辺りでは世界中で愛されるアニメや 漫画のジョークもあったりするので、ここの読者さんならかなり楽しめると思います。 この本が話題になった頃は、よく2ちゃんねるでもこの本に載ってるジョークがコピペ されてたので、あーこれがネタ元かあと膝を打つ人もいるでしょう。 単純な面白さで言うと前回紹介した「ニッポン社会」入門―英国人記者の抱腹レポート よりも上だと思う。まあジョーク集だから当たり前なんだけど。^^;

5位
萌えるアメリカ 米国人はいかにしてMANGAを読むようになったか
萌えるアメリカ 米国人はいかにしてMANGAを読むようになったか
今やアメリカのMANGA出版社で1人勝ち状態になりつつある、VIZの創設メンバーである堀淵 清治氏が、アメリカでの漫画出版における艱難辛苦を当時を振り返りながら語っています。ご存知の様にVIZは小学館と集英社の共同出資による日本の会社です。だから自分はてっきりこの堀淵 清治氏も小学館か集英社の人だと思っていたんですが、さにあらず。 VIZを立ち上げる前は、アメリカに住んでるただの漫画好きなヒッピーだったようです。 VIZの立ち上げ直後はアメコミの会社エクリプスと組んでその販路を活用するも、アメコミの流通経路や販売方法に限界を感じ、尚且つVIZ単独での漫画出版の野望の為にエクリプスと袂を分かつ。その時の葛藤や苦労、その後のもう駄目かいう苦境にある女性漫画家の作品に救われたりと VIZの成長物語がとても楽しく読める。 アメリカにおける漫画黎明期をその直中にいた生き証人とも言うべき人の回顧録。 興味がある方は是非。

6位
私の部下はイギリス人―アングロサクソンが世界を牛耳っているわけ
私の部下はイギリス人―アングロサクソンが世界を牛耳っているわけ
これは面白かったというよりも先に、はあぁ〜とため息が出た。 ある程度分かっていたとはいえ、現地で何十年も働いた人から人種差別の実情を 語られると重みが違う。ほんと彼らは有色人種を差別することが骨の髄まで染み 付いてるというか、遺伝子に書き込まれてるんじゃないかって感じですよ。 しかし、その差別も年代によって少し様子が違うという所にイギリスの歴史が 垣間見えて興味深かったです。 著者はある日本の電気メーカーの現地法人社長をされてたのですが、イギリス人 社員のくせもの振りに随分と辛酸をなめさせられたようです。日本人の常識から すると、キチ○イ認定されそうな人が普通にゴロゴロいるってのが凄いですよ。 性善説で動くと悉く失敗し、自らのお人よしぶりを痛感させられたとありますから。 ほんと改めてイギリス人てこんな人間なのか、イギリスってこんな国なのかと 驚かされました。テレビなどで英国に良いイメージしか持ってない人にはかなり ショックな内容かしれません。 本筋の現地オフィス関連の苦労話は文句なしに面白かったですが、少し話しが それる部分はちょっと退屈だったかも。
とにかく良い意味でも悪い意味でも心に残るネタが多かったです。 ビジネス書ではなくエッセイなので、そういう問題に対処する方法が詳細に書いて ある訳ではないですが、英国の負の部分を実体験に基づいて書かれた本は意外と 少ないと思うので、是非一読してみて下さい。

7位
僕、トーキョーの味方です アメリカ人哲学者が日本に魅せられる理由
僕、トーキョーの味方です アメリカ人哲学者が日本に魅せられる理由
これで4回ぐらい読んだと思うけど、いつも読後に妙な気分になる。 面白かったーと喜んだり、何じゃこれと失望したりという激しい感情じゃなくて、 慣れ親しんだ東京の話のはずなのに、何か知らない別の街を題材にしたおとぎ話を 聞かされたような、まったりした感じ。 きっとこれが、哲学者だという著者のマイケル・ブロンコが書く文章の力だね。 普通の外人さんと違い、異文化に驚くだけで終わらず、そこに哲学者らしい解釈を ちょぴり詩的に加えてるのが印象的だった。 大袈裟に褒める訳でもなく、手厳しく批判するでもなく、彼独特の言い回しで東京 の一部を切り取ったエッセイの集合を、退屈と感じる人もいるかもしれないけど、 自分にとっては、味わった事のない感慨を与えくれる貴重な本です。 ま、そんな曖昧な紹介はこの辺にして内容に少し触れると、著者は宅配便の便利さ にいたく感銘した模様。ほとんど奇跡だとまで言ってます。^^ 日本人にしたら当たり前の事だけど海外では違うんですかね? 面白かったのは、やっぱりTシャツのなんちゃって英語は最初凄く気になったみたい ですよ。女性が胸の位置に「ロッキー山脈」とか「天国の門」とかプリントされた Tシャツを着てると思わず視線が胸に吸い込まれると言ってます。^^ まあこれは定番ネタですね。でも彼の場合は、呆れるだけで終わらずそこで哲学 しているのが売りです。

8位
クール・ジャパン 世界が買いたがる日本
クール・ジャパン 世界が買いたがる日本
これはもうタイトル勝ちというか、日本人なら思わず手に取りたくなるでしょ。^^ でも、ちゃんと中身も充実してますから問題無しです。 2年ほど前の本なので、内容に新鮮味は欠けてますが、ホンダが二足歩行ロボットを 創る際、法王に神への冒涜にならないかお伺いをたてに行き、それもまた神の御心に かなうとお墨付きを頂いたとか、フランスで日本色丸出しのアニメめぞん一刻が 大人気だったというのを読むと、理屈ぬきに楽しくて堪らないのですよ。 著者はデジタルハリウッドの学長さんだったりするので、そういう世界に広がる オタク文化をビジネスや産業と絡めて解説されてもいます。

9位
シュリーマン旅行記 清国・日本
シュリーマン旅行記 清国・日本 (講談社学術文庫 (1325))
トロイの木馬で今日でのも有名なトロイアの遺跡を発見したシュリーマンはみなさんご存知でしょう。 しかし、彼が日本へ来ていたことを知る人は意外と少ないようです。もちろん自分も知りませんでした。^^  タイトルからも分るように、この本の1/3は清国(万里の長城や上海など)に割いてます。 しかし、残りの全てがあのシュリーマンが書いた日本見聞録。それだけでもう必読ものでしょ。 amazon顧客リビューのずらっと並んだ高評価ぶりを見て頂ければ自分が言う事は何も無いです。

10位
誰も書かなかったイラク自衛隊の真実―人道復興支援2年半の軌跡
誰も書かなかったイラク自衛隊の真実―人道復興支援2年半の軌跡
amazon内容紹介 : イラクと日本で何があったのか!最も危険をともなう撤収は、いかに行われたか?なぜ、一人の殉職者も出さずにすんだのか?10次、5500人にわたる自衛隊史上最大の任務―その人間ドラマと緊迫のドキュメント。
当時のマスコミ報道は本当に酷かった。今でも大して変わらないですけどね。^^ だから、自衛隊の活動は実際の所はどうだったの?という方には是非読んで貰いたい。