2006年08月30日

TokyoPop vs VIZ 海外記事

元ネタ THE BOOK STANDARD August 18, 2006

MANGA(マンガ)。これまでも、多くの図書館に受け入れられているという記事などで、アメリカでの人気ぶりを紹介してきましたが、今日はそのアメリカのマンガ出版業界に君臨する2つの巨頭、TokyoPop社とVIZ社が市場を支配しているという現地記事を紹介します。

(ここからは僕の少ない知識と憶測で書いてます、鵜呑みにはしない様お願いします)
TokyoPop社は日本在住の経験もある日本語ペラペラの男性が、日本でのマンガ好きが高じて立ち上げたマンガ出版社だったと思います。それ以前にもマンガはアメリカで販売されてはいました。しかし、アメリカのコミックというか本は全て左から右に読むのでマンガとは逆になります。そこでマンガの絵を鏡に映したように反転させて印刷し左から読めるように出版していました。さらに値段も1500円ぐらいが主流だったようです。それらが原因かどうかは分りませんが、あまり人気は出なかったようです。そしてそんな状況の中に現れたのがTokyoPopです。

彼らは『 正真正銘100%本物のマンガ 』と銘打ち、マンガの絵を反転させずそのまま印刷しました。つまり、アメリカでは考えられない本を後ろから前へ(右から左へ)読ませるという冒険に出たのです。さらに、マンガによく使われる擬音(ズキューンとかそうゆうの)も翻訳せずに、そのまま日本語で印刷しコマの外に小さく説明を入れる事でオリジナルを損なわないようにしました。その上で1000円という当時では価格破壊的な値段設定で、アメリカの出版業界に殴りこみました。

TokyoPopの『 正真正銘100%本物のマンガ 』は当時のアニメブームにも助けられてかなり売れたようです、お陰で会社もどんどん大きくなりました。もうアメリカでマンガといえばTokyoPopという感じだったはずです。他の出版社もTokyoPopを真似たマンガの出版をするようになりましたが、TokyoPopの優位は揺らぎませんでした。ところが、TokyoPopにすればそれは反則だろ!というライバル会社が現れたのです。

それがVIZ Media社です。
VIZは小学館、集英社という日本漫画界の竜虎が資本を出して作った会社です。(たぶん)当然、小学館と集英社の漫画はVIZで独占です。TokyoPopが苦労して交渉し日本の出版社から版権を獲得するなか、VIZは何の努力もせずに面白い漫画が手に入るのです。これでは勝負になりません。VIZはわずか数年でTokyoPopに追いつき、今回紹介する記事を読むと既に追い越したようです。これからもその差はどんどん広がり、今の2強時代からVIZの1人勝ちになると僕は思います。

日本の会社がアメリカで成功するのは僕としても大変嬉しいです。
しかし、このケースはどうしてもTokyoPopに同情してしまいます。
何といっても、現在のアメリカでのマンガ人気はTokyoPopの努力によるところが大きいですから。アメリカ人にマンガをオリジナルのまま右から左へ読ませる事に成功し、マンガの大きさを今のサイズに定着させ、値段も1000円という低価格でも成功するという事を証明して見せた。
僕が外務省か文化庁の役人なら、TokyoPop社に対し表彰してあげたいぐらいです。アメリカにマンガを根付かせた後、美味しい所を持っていかれ消えていく。泣ける良い話じゃないですか!映画化決定ですよ。
(イヤたぶん消えないし、ここまでの話はあくまで僕の憶測ですよ。念のため)

もう少し書きたいのですが長くなったので今日はこの辺で。
肝心の記事ですが、売上げチャートの順位だとか何冊売れたとか数字ばかりであまり面白くないです。ぶっちゃけると、ただTokyoPop社を語りたくてこの記事を引っ張ってきました。でも、2005年の売上げNO.1がハガレンの1巻で68,000冊とか、最後の方でシンプソン・カレンダーが何故かコミックランキングに入っていたりと興味深いとこもあったり、なかったりです。

A Look at Comics & Graphic Novel Chart Toppers: 2005-2006
Comics & Graphic Novelチャート・トップランカー調査:2005-2006


いつなんどきでもマンガ出版社は、第1位の座をつかめる人気シリーズの最新刊をリリースする事ができるが、結局は、競合する作品か同じシリーズの次の巻によって、すぐにその座を奪われるだろう。それに、もしかするとスーパーヒーロー映画が台頭して(その原作のコミックが人気となり)、長年売れ筋だった現存のグラフィックノベルに取って代わることもあるかもしれない。
しかしながら、1つだけ首尾一貫している事がある。
それはTokyoPop(トーキョーポップ)とVIZ(ヴィッツ、注:日本の小学館と集英社が設立?)がこの業界を支配しているという事だ。彼らの大多数のタイトルが、第1位に達しているのだから。

今週、TokyoPopのドル箱(フルーツバスケット、原作・漫画、高屋奈月)の14巻が、Comics & Graphic Novelsチャートにおいて、2週連続でトップの座に着いた。フルバ・シリーズという強力ラインナップは、2500年に15週でチャートのトップに立った。(他のどんな作品よりも多い)そして、今年もこれまでに6週でトップだ。
(中略)
リリースされたフルバ13巻のうち、12冊はNo. 1ヒットとなり、創刊号の1巻だけが孤独な例外(ピーク時で第2位2004年2月)となった。 それらのシリーズ全体の売上数を合算すると887,000冊以上になり、2006年はこれまでで256,000冊に昇る。フルバの7つの巻は、去年の20トップセールスComics & Graphic Novelsに入った。TokyoPopは2005年と2006年のこれまでに、他の2作品でもNo. 1ヒット(D.N. Angelの2つの巻、Kingdom of Hearts第4巻)を輩出している。Kingdom of Heartsシリーズはディズニーキャラクターと良く知られているロールプレイングゲームの要素を組み合わせており、大変に人気のあるプレステ2用のスクエア・エニックスのビデオゲームを原作としている。

TokyoPopが高い売上げを誇るとはいえ、トップセールスチャートはライバルのマンガ出版社VIZが明らかに支配している。VIZは2005年の初めから別々の38週でトップを取り、最近ではComics & Graphic Novelsチャートのトップ10のポジションを独占(2006-5月最後の週)した。単独の出版社では初めての達成で、画期的な出来事だった。VIZの最近のキラーコンテンツ(岸本正志のナルト)は現在、6つの巻がチャートの15位までに入っており、2週間前にはシリーズ10巻の全てがランクインしていた。

ナルトに加えて、VIZの幅広い作品群には和月伸宏のるろうに剣心や、荒川弘の鋼の錬金術師(共にアニメシリーズがカートゥーンネットワークでのヒットに伴い人気化)のような人気タイトルも含まれている。鋼の錬金術師の第1巻は、2005年5月1日の週で第1位というデビューを飾り、68,000冊を売上げて去年のトップセールスタイトルになった。2005年に鋼の錬金術師の4つの巻の売上げは167,000冊以上になり、2006年にはこれまで8つの巻全てで181,000冊
を売り上げた。鋼の錬金術師はスクエニによって2つのビデオゲームも販売されており、アニメDVDもFUNimationを通じて、いたるところで手に入れる事ができる。

2005年初頭からのNo. 1タイトルに注目してみると、VIZは38週でトップであり、その意味するところはベストセラーのコミックタイトルの45%を握っているということだ。その後にTokyoPopが続き、25週(30%)でトップを取った。この抜きん出た2つのマンガ出版社を会わせると、63週でトップとなり、
84週間のスパンの間で75%のシェアを持つ事になる。

2005と2006年にComics and Graphic Novelチャートのトップに立った他社のシリーズは、Del Rey社のツバサ(CLAMP)、Harpercollins社のThe Trivial Simpsons 2007 365-day Calendar(Matt Groening)、Dark Horse社の映画化されたSin City(Frank Miller)、そしてDC Comics社のV for Vendetta(Alan Moore)がある。

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posted by のぶ at 10:41 | 東京 ☀ | Comment(7) | TrackBack(0) | MANGA(漫画)
   
この記事へのコメント
  1. VIZは擬音も翻訳してるんですよね。そんなところまで支持派と否定派が存在するという…… もうちょっと肩肘張らずに漫画を楽しめば良いのにと思ったりしますわ 余談ですが、プロフの子猫に撃沈されました……so cute ちなみにおいらは野郎です 
    Posted by 猫子猫 at 2006年08月30日 19:48
  2. Tokyopopは韓国産漫画やアメリカ産漫画の育成にも力を注いでますね。
    Posted by お茶妖精 at 2006年08月31日 08:12
  3. 間違ってますよ。マンガをアメリカに普及させたのは、VIZです。Tokyopopではありません。
    VIZがアメリカ市場を苦労しながら開拓し、マンガ人気を広げる中で、Tokyopopなどの後発企業が出てきたわけです。もともと、VIZが独占していたわけです。
    後発のTokyopopとしては、VIZに勝つためには、値段を下げて勝負をするしかなかったのです。コストを下げるために、反転や擬音の翻訳を省略したわけです。
    この値下げで、一時Tokyopopに逆転されますが、VIZも値段を下げて対抗したため、またVIZが逆転したわけです。
    Posted by ガンダム at 2006年08月31日 12:21
  4. 萌えるアメリカ 米国人はいかにしてMANGAを読むようになったか   堀淵 清治 著

    VIZの元社長が書いた本です。苦労話もいろいろ書いてあるので、おもしろいですよ。
    Posted by ガンダム at 2006年08月31日 12:29
  5. 外人さんに日本語の魅力アンケートしたら
    擬音の多彩さを挙げるヒトがカナーリ多かったなぁ、そういや。

    特に女性に好評だった。
    キラキラ とか ピカピカ チカチカ とか本当に
    感じが出て素晴らしい、みたいな意見が多かった。
    英語だと''bling bling''(ブリィン、ブリィン)だっけ?
    随分と感じが違う。

    意訳をせずに、音声に忠実に「音訳」した方が良いって意見が
    あったよ。世界に輸出すべきだ、って。
    輸出対象って考え方がスゲー面白いと思った。

    日本語って、こういう雰囲気言語が豊富・配慮が細やかで
    面白いかも。
    雨の降り方もシトシト、ザーザー とか ザンザンぶり っつったり
    ザーッ とか 通り雨の降り始めの シャーッ とか。
    五月雨(さみだれ)春雨(はるさめ)夕立 の違いとか何となく分かるし。
    Posted by at 2009年01月17日 01:43
  6. もうさ、ひらがなカタカナぐらいはアメリカで教育しちゃいなよ
    Posted by at 2009年04月04日 07:07
  7. 事故なんかの時、日本のオノマトペの豊富さが役に立つとか聞いたな
    ドン!と言う短い衝撃音だったのかドーン!だったのか、もっと大きなドカーン!だったのかで、簡潔に状況がわかるとか
    Posted by at 2009年06月08日 02:55
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雑記ですから

08/03/22

ブログの参考にしてる面白い本ランキング。

1位
オタク・イン・USA 愛と誤解のAnime輸入史
オタク・イン・USA 愛と誤解のAnime輸入史
外人さんがアニメを中心とした日本のオタク文化を本にしたものは珍しくなく なってきましたが、その中でもこの本はダントツで理屈抜きに面白い。 何が良いって、著者のパトリック・マシアスが、アメリカで育った本物の ギークだって事に尽きる。子供の頃から、ゴジラやウルトラマンなどの特撮や バトル・オブ・プラネット(ガッチャマン)やスター・ブレーザーズ(宇宙戦艦 ヤマト)に夢中になり、アメリカのTV会社のいい加減さに翻弄されながらも、 オタクであり続けた記録が、微笑ましいやら楽しいやらで最高です。 内容にちょっと触れると、黒人やヒスパニックの危ないお兄さん達がドラゴン ボールのアニメTシャツを着てたりとか、リン・ミンメイにアメリカの少年たちが 「デカルチャー」しちゃったり、ガッチャマンのパンチラシーンで性に目覚め ちゃったり、ガンダムWでアメリカの十代の少女たちがヤオイに走ったりとか、 もう興味がない人にはどうでもいい話ばかりなんですが、ファンには溜まらない ネタのオンパレードで一気に最後まで読ませる魅力がある、というか魅力が溢れ まくってます。
自分が知る限り、彼以外のオタク本を書いてる外人さんは、アニメを楽しんでると いうよりも評論しているので、どうも上から目線の様に感じてしまいます。 スーザン・ネイピアさんの本を読んだ時も、そんな印象を受けましたよ。 日本を良く研究されていて、あ〜そういう考え方もあるのかあと、感心する一方、 彼女には、アニメに対しての答えが既に出ていて、その持論を補強するためのアニメ だけを例に挙げるので、ちょっとそれは違うんじゃないかと反発したくなる。 翻ってマシアスは、アニメを見る目線が自分とほぼ同じなので、共感できるんですよ。 ただ単純にアニメや漫画を楽しんで感じたままを書き連ねてる。学術的には価値が無い のかもしれませんが、自分にとっては凄く価値のある本だったりします。

2位
「ニッポン社会」入門 英国人記者の抱腹レポート (生活人新書)
「ニッポン社会」入門 英国人記者の抱腹レポート (生活人新書)
図書館で借り直してまた読んでみた。
やっぱり面白い。
地球の裏側にある全くの異文化で育った人の感想や考え方って、日本人には 想像できないような意外性があるし、普段は気にもしなかった事を指摘されると あ〜確かにそうだなと思わず納得させられる。 この作者のコリン・ジョイス氏のように10年以上日本で暮らし日本語がペラペラ になったイギリス人が、日本語の巧みな言い回しや表現・ユーモアに感心し楽しん でいると書いているのを読むと、単純に嬉しいし興味深い。 コリンさんは「猿も木から落ちる」という諺がかなり気に入った模様。 英語での「Nobody is perfect」なんて足元にも及ばないと言ってます。 この方は、ニューズウィーク日本版の記者を経て今はイギリスの高級日刊氏 テレグラフの東京特派員をしてるのですが、日本で「全米が泣いた」というフレーズ が流行った時は、それを記事にして送ろうとしたほど気に入ったそうです。 残念ながら、他の記者に先を越されてしまったようですが、まさか「全米が泣いた」 が既にイギリスで紹介されてるとは意外というか、そんな重要性が低い記事も 書いてるのかとちょっとビックリ。
他にも、プールに日本社会の縮図を見ちゃったり、美味しいけど味がどれも変わらない日本のビールにガッカリしたり、イギリスは紳士の国と言われて驚いたりと色々な面白エピソードが満載でした。 この面白さの半分でも見習いたんもんです。^^;

3位
中国動漫新人類 (NB online books)
中国動漫新人類 (NB online books)
目からウロコが落ちました。ボロボロって。 この本の趣旨の一つに「反日で暴れる中国人がどうして日本のアニメや漫画を楽し んでいるのか?」を考察するというものがあるんですが、正に自分が常々知りたいと 思っていた事なので、本当に楽しんで読めました。 著者は中国で生まれた日本人であり、大学で中国からの留学生を教えていたりもして るので、彼らの生の声を通訳など通さずにそのまま文章にされている所が魅力です。 スラムダンクが中国でもの凄いバスケブームを起こしたり、大人気のクレヨンしん ちゃんをパクッた中国アニメが中国人の小さな子供にも馬鹿にされてたりとかも 面白いネタだったんでが、コスプレイベントが中国の国家事業として企画されている という事実にビックリ。もちろん、何で反日教育をしてる中国政府が、日本アニメ 大好きの若者が日本のアニメキャラに扮するコスプレを自ら開催するのかという理由 も、著者なりに一つの解を示してくれています。他にもアメリカで起きた反日運動の 裏側など、アニメ以外の話題にも触れており読みごたえ十分な内容でした。 管理人同様、今の中国はどうなってんの?と思ってる人は是非読んでみて下さい。

4位
世界の日本人ジョーク集
世界の日本人ジョーク集 (中公新書ラクレ)
内容はタイトルのまんまで、世界中の日本人を扱ったジョークを集めて紹介しながら 著者の海外経験を通して海外の人が持つ日本人の印象や実態とは少し違う固定観念などを面白おかしく、時には真面目に語ってくれます。 著者はルーマニアに2年間在住しており、その時に「キネーズ(中国人)!」とほぼ 毎日声をかけられたそうです。親しくなったルーマニアの友人に、何故東洋人を見かけ ると中国人だと言うのかと聞くと、「あの豊かで優秀な日本人がこんなルーマニアなん かに来るわけがない。中国人に違いない。って思うんだよ。距離感が違いすぎるんだ。 日本はずっと上過ぎてね。」と言われたとか。リップサービスを差し引くとしても 他のルーマニア人にも同様の意見が多かったと述べてます。 何か読んでてこそばゆくなってきますが、こんなのもあります。 アメリカが日本人を動物に例えると何かというアンケートが実施されて、一番多かった 答えが「FOX(狐)」だったとか。どうやら「ずるい、ずる賢い」という意味だそうですが、狡猾・卑怯者ぐらいに思ってるのかもしれませんね。 真珠湾から安保のただ乗り(と向こうは思ってる)、湾岸戦争でのお金のみの貢献に 日米貿易摩擦あたりでこういう印象になってるそうです。 とまあ、こんな風にちょっと顔をしかめたくなるようネタも載ってます。
全体的には面白い内容のネタが多いし、巻末の辺りでは世界中で愛されるアニメや 漫画のジョークもあったりするので、ここの読者さんならかなり楽しめると思います。 この本が話題になった頃は、よく2ちゃんねるでもこの本に載ってるジョークがコピペ されてたので、あーこれがネタ元かあと膝を打つ人もいるでしょう。 単純な面白さで言うと前回紹介した「ニッポン社会」入門―英国人記者の抱腹レポート よりも上だと思う。まあジョーク集だから当たり前なんだけど。^^;

5位
萌えるアメリカ 米国人はいかにしてMANGAを読むようになったか
萌えるアメリカ 米国人はいかにしてMANGAを読むようになったか
今やアメリカのMANGA出版社で1人勝ち状態になりつつある、VIZの創設メンバーである堀淵 清治氏が、アメリカでの漫画出版における艱難辛苦を当時を振り返りながら語っています。ご存知の様にVIZは小学館と集英社の共同出資による日本の会社です。だから自分はてっきりこの堀淵 清治氏も小学館か集英社の人だと思っていたんですが、さにあらず。 VIZを立ち上げる前は、アメリカに住んでるただの漫画好きなヒッピーだったようです。 VIZの立ち上げ直後はアメコミの会社エクリプスと組んでその販路を活用するも、アメコミの流通経路や販売方法に限界を感じ、尚且つVIZ単独での漫画出版の野望の為にエクリプスと袂を分かつ。その時の葛藤や苦労、その後のもう駄目かいう苦境にある女性漫画家の作品に救われたりと VIZの成長物語がとても楽しく読める。 アメリカにおける漫画黎明期をその直中にいた生き証人とも言うべき人の回顧録。 興味がある方は是非。

6位
私の部下はイギリス人―アングロサクソンが世界を牛耳っているわけ
私の部下はイギリス人―アングロサクソンが世界を牛耳っているわけ
これは面白かったというよりも先に、はあぁ〜とため息が出た。 ある程度分かっていたとはいえ、現地で何十年も働いた人から人種差別の実情を 語られると重みが違う。ほんと彼らは有色人種を差別することが骨の髄まで染み 付いてるというか、遺伝子に書き込まれてるんじゃないかって感じですよ。 しかし、その差別も年代によって少し様子が違うという所にイギリスの歴史が 垣間見えて興味深かったです。 著者はある日本の電気メーカーの現地法人社長をされてたのですが、イギリス人 社員のくせもの振りに随分と辛酸をなめさせられたようです。日本人の常識から すると、キチ○イ認定されそうな人が普通にゴロゴロいるってのが凄いですよ。 性善説で動くと悉く失敗し、自らのお人よしぶりを痛感させられたとありますから。 ほんと改めてイギリス人てこんな人間なのか、イギリスってこんな国なのかと 驚かされました。テレビなどで英国に良いイメージしか持ってない人にはかなり ショックな内容かしれません。 本筋の現地オフィス関連の苦労話は文句なしに面白かったですが、少し話しが それる部分はちょっと退屈だったかも。
とにかく良い意味でも悪い意味でも心に残るネタが多かったです。 ビジネス書ではなくエッセイなので、そういう問題に対処する方法が詳細に書いて ある訳ではないですが、英国の負の部分を実体験に基づいて書かれた本は意外と 少ないと思うので、是非一読してみて下さい。

7位
僕、トーキョーの味方です アメリカ人哲学者が日本に魅せられる理由
僕、トーキョーの味方です アメリカ人哲学者が日本に魅せられる理由
これで4回ぐらい読んだと思うけど、いつも読後に妙な気分になる。 面白かったーと喜んだり、何じゃこれと失望したりという激しい感情じゃなくて、 慣れ親しんだ東京の話のはずなのに、何か知らない別の街を題材にしたおとぎ話を 聞かされたような、まったりした感じ。 きっとこれが、哲学者だという著者のマイケル・ブロンコが書く文章の力だね。 普通の外人さんと違い、異文化に驚くだけで終わらず、そこに哲学者らしい解釈を ちょぴり詩的に加えてるのが印象的だった。 大袈裟に褒める訳でもなく、手厳しく批判するでもなく、彼独特の言い回しで東京 の一部を切り取ったエッセイの集合を、退屈と感じる人もいるかもしれないけど、 自分にとっては、味わった事のない感慨を与えくれる貴重な本です。 ま、そんな曖昧な紹介はこの辺にして内容に少し触れると、著者は宅配便の便利さ にいたく感銘した模様。ほとんど奇跡だとまで言ってます。^^ 日本人にしたら当たり前の事だけど海外では違うんですかね? 面白かったのは、やっぱりTシャツのなんちゃって英語は最初凄く気になったみたい ですよ。女性が胸の位置に「ロッキー山脈」とか「天国の門」とかプリントされた Tシャツを着てると思わず視線が胸に吸い込まれると言ってます。^^ まあこれは定番ネタですね。でも彼の場合は、呆れるだけで終わらずそこで哲学 しているのが売りです。

8位
クール・ジャパン 世界が買いたがる日本
クール・ジャパン 世界が買いたがる日本
これはもうタイトル勝ちというか、日本人なら思わず手に取りたくなるでしょ。^^ でも、ちゃんと中身も充実してますから問題無しです。 2年ほど前の本なので、内容に新鮮味は欠けてますが、ホンダが二足歩行ロボットを 創る際、法王に神への冒涜にならないかお伺いをたてに行き、それもまた神の御心に かなうとお墨付きを頂いたとか、フランスで日本色丸出しのアニメめぞん一刻が 大人気だったというのを読むと、理屈ぬきに楽しくて堪らないのですよ。 著者はデジタルハリウッドの学長さんだったりするので、そういう世界に広がる オタク文化をビジネスや産業と絡めて解説されてもいます。

9位
シュリーマン旅行記 清国・日本
シュリーマン旅行記 清国・日本 (講談社学術文庫 (1325))
トロイの木馬で今日でのも有名なトロイアの遺跡を発見したシュリーマンはみなさんご存知でしょう。 しかし、彼が日本へ来ていたことを知る人は意外と少ないようです。もちろん自分も知りませんでした。^^  タイトルからも分るように、この本の1/3は清国(万里の長城や上海など)に割いてます。 しかし、残りの全てがあのシュリーマンが書いた日本見聞録。それだけでもう必読ものでしょ。 amazon顧客リビューのずらっと並んだ高評価ぶりを見て頂ければ自分が言う事は何も無いです。

10位
誰も書かなかったイラク自衛隊の真実―人道復興支援2年半の軌跡
誰も書かなかったイラク自衛隊の真実―人道復興支援2年半の軌跡
amazon内容紹介 : イラクと日本で何があったのか!最も危険をともなう撤収は、いかに行われたか?なぜ、一人の殉職者も出さずにすんだのか?10次、5500人にわたる自衛隊史上最大の任務―その人間ドラマと緊迫のドキュメント。
当時のマスコミ報道は本当に酷かった。今でも大して変わらないですけどね。^^ だから、自衛隊の活動は実際の所はどうだったの?という方には是非読んで貰いたい。